Webアクセス解析ができるフリーツールについて調査。開発が止まってしまっているものも多いようなので、比較的最近も開発が続いているものを調べてみた。
解析ツールの種類
大きく分類して、次の2種類がある。
- Apacheログ解析型
- コード埋め込み型
当然ながら、それぞれに長所と短所がある。ログ解析型は取りこぼしがなく、不正アクセスの痕跡やシステムエラーを見つけやすいのでシステム管理者向き。一方、コード埋め込み型は情報量が多く、マーケティング用途向き。比較対象というよりは、併用して目的に応じて使い分けるのが賢いと思う。
Apacheログ解析型
1日ごとにApacheログを解析して、結果をHTMLに保存するタイプ。ログを読み込んでその場で解析表示するGIUツールもある。GUI系のツールは自分で使うことはなさそうなので、調査対象からはずした。
長所
- 解析ツールを使うためにサイト側での作業不要。
- 解析結果が静的HTMLなので、表示は早い。
- データベース不要。
- エラー情報も解析可能。
短所
- リアルタイムな情報は見られない。
- Apacheログに残されている情報を解析するだけなので、ブラウザに関する情報はUserAgent情報のみ。
コード埋め込み型
解析したいページにコードを埋め込んで、リアルタイムに情報をデータベースに蓄積していくタイプ。要するに、Google Analyticsを自前のサーバ上に構築したようなもの。昔はApacheログ解析型が主流だったけれども、Google Analyticsが出てきて、類似プログラムが開発されてきた感じみたい。
長所
- リアルタイムに訪問者情報を表示可。
- 使える環境ではJavaScriptを使った情報も取得するため、得られる情報量が多い。
短所
- サイト側でコードを埋め込む必要あり。
- 解析結果を表示する都度データベース操作が入るため、解析結果の表示は遅め。
- 要データベース。(Google Analyticsのような外部サービス利用の場合にはもちろん不要。)
- エラーページにもコードを埋め込まない限り、エラー解析不可。
Apacheログ解析型のフリーソフト
情報量はAWStatsの方が多く、表示もカラフルできれい。解析速度はC言語で書かれているWebalizerの方が早い。
解析速度だけ言えば、Visitorsがサイト規模が非常に大きくても数秒で解析が終わる優れものだったらしいのだけど、2006年3月で開発が止まってしまっている。つまり、それ以降に作られたブラウザのUserAgentは解析できない。
AWStats
- http://www.awstats.org/
- GNL
- Perlで書かれている
- 現在の最新版は2014年1月にリリースされた7.3
- リリースは半年~1年に1回ペース
- 日本語対応あり。
Webalizer
- http://www.webalizer.org/
- GPL
- C言語で書かれている
- 現在の最新版は2013年8月にリリースされた2.23-08
- リリースは1~2年間隔
- 日本語対応あり (?)
コード埋め込み型のフリーソフト
OWA、Piwikとも開発が非常に活発。月に数回のリリースがあることも。portsからインストールするとまったく最新版に追随できないので、利用するなら個別インストールがよさそう。
Piwikは
Open Web Analytics
- http://www.openwebanalytics.com/
- デモサイト: http://demo.openwebanalytics.com/
- GPL v2
- PHP5.2+、PCNTL拡張パッケージ要、MySQL4.1+
- WordPress 2.8+用のプラグインあり (OpenWebAnalytics)
- 現在の最新は2014年6月にリリースされた1.5.7
- FreeBSDのportsなし
- インタフェースは英語のみ。i18n対応予定はあったらしいが、現状どうなっているのか不明
Piwik
- http://piwik.org/
- 日本Piwikユーザ会あり (http://www.piwikjapan.org/)
- デモサイト: http://demo.piwik.org/
- GPL v3
- PHP5.5+、GD拡張パッケージ要、MySQL
- WordPress用プラグインあり (WP-Piwik)
- 現在の最新は2014年7月にリリースされた2.4.0
- FreeBSDのportsもあるが、現時点で2.3.0と古め
- 最初から全言語パックが同梱