ATOKのファンクションキー割り当てを解除してもアプリケーションのファンクションキーが使えないことがあるという不具合について、ジャストシステムに問い合わせてみた。
動機
以前、同じことを問い合わせて「現在のバージョンでそのような不具合はありません」と回答があったので、購入した。ところが実際に使ってみたらやはり不具合があった。今回は安易な回答に騙されることなく、購入する前にきちんと確認しておこうと思ったため。
不具合の再現方法
ATOKではファンクションキーを使わず、アプリケーションでのみファンクションキーを使うために、次の手順でファンクションキーの割り当てを削除。
- ATOKプロパティの「キー・ローマ字・色」で「キーカスタマイズ」を開き、F1~F12が使われている設定をすべて削除。
- スタイル名を適当に入力して、作成したスタイルを使用。
ファンクションキーの割り当てを削除したスタイルを使用し、次のような操作で不具合が発生。
- Firefoxの検索フォームに日本語を入力し、確定前にF5キーを押す。本来なら再読込されるはずだが、何も起きない。
- Poedit編集中にF1を押してもヘルプが開かない。
- LibreOffice Writeの編集中にF1を押してもヘルプが開かない。
- Adobe Acrobat Xでテキストボックス編集中にF1を押してもヘルプが開かない。F4を押してもナビゲーションパネルの開閉ができない。F7を押してもスペルチェックウィンドウが開かない。
上記はいずれもMS IME2010を使用した場合は、変換中でもアプリケーションのファンクションが発動する。
なお、Internet Explorer 10でならATOKで日本語確定前でもF5キーで正常に画面再読込みする。確認した範囲で、ATOKが変換中にアプリケーションのファンクションキーを使用できるのはIEのみ。
サポートからの回答
仕様である。
動作確認までした上での回答なので、安易じゃないと言えば安易じゃない。ジャストシステムによる説明は、次のとおり。
- 確定前にファンクションキーが働かない現象は、ジャストシステムでも確認した。可能な限り古いバージョンのATOKでも確認したが、どのバージョンでも結果は同じ。以前のバージョンと変更があってできなくなった、というわけではない。
- MS IMEで確認したところ、同じ環境で同じように「変換前にはファンクションキーが無効」と確認された。
- MS IMEでも現象が同じため、ATOKではなくアプリケーション側の問題と考える。
- すべてのアプリケーションについて確認するのは不可能なため、主要なアプリケーションでのみ確認した。
「MS IMEでも結果が同じ」というところだけは納得しかねるけれども、実際にジャストシステムの環境では本当に同じなのだとしたら、説明の筋は通っている。というわけで、今後も重ねて調査されることはなく、したがって不具合対応されることもない、ということになりそう。
以前は間違いなくファンクションキー割当てを削除するときちんとアプリケーションに渡っていたのだけど、昔のことなので当然使っているOSも違ったわけで、そのあたりが影響しているのだろうと思う。Windows 7以降、IMEとアプリケーションの間のインタフェース仕様が何かこっそり変更されていて、外部には公開されていない状態なんだろうなぁ。
結論。変換がおばかさんなのを我慢してMS IMEを使うか、変換中にファンクションキーを使うことのないよう気をつけながらATOKを使うか、どちらがストレスが少ないかを各自の価値観により判断するしかない。